1人じゃないから
2013年 10月 13日
都内の病院です。
休日だったので外来もなく静かでした。
案内されたフロアーに行くと、なにやら聞きなれた声が休憩室から。
お♪いたいた。
元気そうじゃないですかーっ♪
まだ左側が麻痺していますが、声も表情も元気そうでよかった~。
「よお~。今、『週刊金曜日』読んでたとこだよー」
おいおい、病院で週刊金曜日読むか・・・?!(汗)
読んでた雑誌と差し入れの本で、休憩室のテーブルはこんな感じ・・・・。
雑誌のコピーもありました。
反貧困の活動をしている女性の記事でした。
Sさんの同志ですな・・・。
「若いフリーターが何かで急に働けなくなった時のための
“助け合い基金制度”の仕組みをつくってんだ、彼女は。すげー大切なことだよ」
Sさんだって、まあ自分の不摂生は(かなり)あるんだけれど、
路上で生活せざるをえない人たちのこと、
福島に帰れない人たちのこと、
原発やTPPのこと・・・・その他たくさん「なんとかしたい!」と思って
走り回っているうちに倒れてしまうような人です。
こういう人もすげー大切です。
「もっと自分のことも大切にせんと・・・あかんわ」そんなふうに思っていたら、
ふと笑いながらSさんが言うのです。
「おれさ、倒れる前はさ、いつこのまま倒れて死んでもいいと思ってた。
それがさ、実際倒れた今は変わったよ」。
リハビリの時間。
素敵な担当の先生が迎えにきてくれます。
「じゃ、行ってくるわ」
ほい、いってらっしゃい!
動かない体に「死なせて」とまで思ったSさん。
「今は、もっと生きたいと思うようになった」。
「リハビリもがんばるよ。
おれ、ここ出る時は歩いて出たいから。
やらなきゃいけないことあるしな!」
そうだ!がんばれ!!!
入院中の部屋をのぞくと、
大部屋だけれど、日あたりのよい窓際のベット。
ここにも本がいっぱい・・・。
看護師さんにも本を貸し出ししているらしいです(汗)。
帰り道。
1年に単語3つくらいしか覚えられなかったこと、
ふんばってもなかなか立ち上がれなかったこと、
自分の名前を書けるようになるのに半年かかったこと、
そんなたくたくの日々を、ぼんやり考えていました。
先日あった支援学級の公開授業で、
お友だちが1語1語しぼりだすように話してた姿も浮かんできました。
毎日がリハビリみたいなもんだな~(って違うか・・・・・)。
ゆっくりでも着実で、何より本人も毎日喜びに満ちてます。
それって、1人じゃないからだよな。
「話したい人がいて、話したい世界があること」
これが言語訓練より大切なことだとと教えてくれた、梅村浄先生のことばも
ふと思いだしました。
退院後の人生も長いし、ゆっくりいこう~。
みんな待ってます!